(7)必要な資金と調達方法
(1)必要な資金
この欄の左側は創業時に必要な資金を記載します。項目としては①設備資金と②運転資金です。
①設備資金
事業を始めるために必要な設備とその金額を記載します。金額についてはきちんと見積もりを取り、その見積先の会社名も記載する必要があります。見積書があることが設備資金としての融資を受ける際に必須条件になっています。
②運転資金
運転資金は、人件費・賃借料・光熱費等などの事業に必要な経費を記載します。1カ月間に必要な経費を自分で分析して3ヶ月分を記載しましょう。ここの数字については、適当ではなく、根拠をしっかり示すことが重要です。これから自分が起業する事業についての分析がきちんとできているかを判断する項目になりますので注意が必要です。
(2)資金の調達方法
①自己資金
自己資金については、ご自分で今まで貯めた資金を記載します。貯金額を全額記載する必要はなく、事業として準備してきた金額を記載すれば大丈夫です。自己資金については詳しくは以前のコラムで記載していますので、そちらを参考にして頂ければと思います。⇒自己資金について
法人の場合は、資本金も自己資金として見てもらえますので安心して下さい。
②親・兄弟・知人・友人等からの借入
この欄には、親や兄弟等から借入を受けた場合の金額を記載します。知人や友人からの借入については借入契約書や返済計画等が必要です。親や兄弟からであっても援助ではなく借入である場合は、借入契約書は作成した方がいいと思います。身内からであれば、借入ではなく、援助という形もあり得るかと思いますが、その場合にも贈与契約書などがあれば、返済しなくてもよいということの証明になりますので、用意した方がいいでしょう。
③日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入
この欄には、融資希望額を記載します。(1)で記載した設備資金及び運転資金に自己資金では、いくら足りないからこの金額を融資してほしいということを日本政策金融公庫の融資担当の方に説明する必要があります。この数字に根拠がなく、きちんと説明できなければ、融資の申し込みをしてもいい結果には結びつきませんので、しっかり根拠を示すことができるようにすることが大事です。
④他の金融機関からの借入
この欄は、日本政策金融公庫と他の金融機関での協調融資をする際に記載することになります。協調融資については、後日コラムで記載できればと思いますので、ここでは割愛させていただきます。
(3)まとめ
この項目は融資を受ける上で非常に大事な項目になります。まずは、(1)の金額の合計額と(2)の金額の合計額が一致するようにします。自己資金+融資希望額をどのような使い方をするのかを根拠を示しながら記載することになりますので、その根拠をきちんと示すことができるように事業計画をしっかり考えて頂く必要があります。
専門税理士 三木 仁 |
・出身地 大阪府貝塚市 事業を立ち上げ、それを継続していくことは大変な道のりだと思います。 |